2022年のアルバム(ジャズとか)


明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い申し上げます。


……と、いうことで。
明けたからにはぼちぼち着手しましょうか、2022年の新譜振り返り。
今回も前回同様、まとめやすいところからまとめてみます。
キャパオーバーで途絶えるかもしれませんが、とりあえず行けるところまで。


てなわけで、ジャズほかもろもろから25枚ほど。

相変わらずただただノリだけで好きなものをば。
なお、並びは迷ったあげく埋め込みリンクの名義アルファベット順に左上→右下。
今年のリンクはBandcampメイン(一部Spotify)でいってみました。どれがいいのやら。



1. Agnas Flaten Ståhl Texas - All Slow Dream Gone

スウェーデンのトリオがノルウェーからゲストを招く形。北欧の腕っこきが集まって……という一枚ですね。気負わずのんびり聴けるので、偶然とはいえ初手がこれってのは嬉しい。

2. The Bad Plus - The Bad Plus

21年活動してるグループがデビューアルバム以来のセルフタイトルを世に出す自信。今回加入のギターとサックスがアンサンブルに華を添えてて◎。ピアノトリオがこうも大胆に変化するとは、流石。

3. David Binney - Tomorrow's Journey

かなりあちこち跳ね回ってるんだけど、そのわりに不思議な落ち着きがあって。なんとなく、クラシカルな成分が効いているのやも知れず。アンサンブル力の高さが成せる業ですかね。

4. Dieter Ilg - Ravel


独ACTはその刺さり頻度の高さ故今年も頻繁にチェックしていた推しレーベルですが、まさか一枚まるまるラヴェルで攻めてくるとは……。アレンジは忠実なようでところどころ大胆。そりゃ聴くわな。

5. Eero Koivistoinen Quartet - Diversity

フィンランド・ジャズ。クラシック然りロック然り、北欧はとにかく音楽強いですねえ……。抑制の効いた推進力でぐんぐん聴き手を引っ張っていきます。均衡と調和、大事ですよね。

6. Fergus McCreadie - Forest Floor

1曲目、流し始めた瞬間からはい好き~となるやつですね。ついさっき均衡と調和とか言ってましたが、やっぱこのくらい勢いに振ってるのもそれはそれでいいんだよなあと。落ち着くとこは落ち着きつつ。

7. Jeroen van Vliet - Afra Mussawisade - Kinan Azmeh - Gloom

ピアノがオランダで打楽器がイランからのクラリネットがシリア、という面子。とはいえ奇抜さは見せず、あくまで落ち着いている様子。ジャケットの印象そのままな心地よさに浸る。

8. Julian & Roman Wasserfuhr - Mosaic


安心のACT枠。そりゃまあ、パッと曲目眺めて目を疑うのはSmells Like Teen Spiritの文字列ですよね。こうなるのかと。それはさておき、今年はフュージョン方面うまく拾えなかったので。貴重な一枚。

9. Kelly Green and Luca Soul Rosenfeld and Daniel Carter - Endings That Are Beginnings

フルートのいるコンボには自然と耳が寄っていってしまい。影からスッと姿を見せてくる不穏な音響が楽器の音色と合っていて絶妙ですね。音数少なくても間延びしない緊張感。

10. Kit Downes - Vermillion


ここにきてのECMですが。同レーベルならこのくらい動きのあるやつが好きなの、我ながら非常にわかりやすいですね。Vermillionなるアルバムタイトルながら、ジャケは青メイン。なぜなのか。

11. Marius Neset - Happy


今年のリリースだとChandosでオケ率いてるやつもありましたが、選ぶならこちらですね。ACT強しといいますか。フュージョン関連の収穫、今年はほんとここに助けられっぱなし。

12. Mark Turner - Return from the Stars


ECMふたつめ。ホーンが2人いると掛け合いにしろハーモニーにしろぐっと幅が広がるなあと。レーベルの印象よりしっかりジャジーな雰囲気なのがまた面白く。

13. Mary Halvorson - Amaryllis

再生してすぐ複合拍子の心地よさに溺れるやつ。そもそも編成が最高ですよね。やはりビブラフォンはジャズで輝くと再認識しつつ。トロンボーンもこのくらいの編成でもっと持て囃されてほしい。

14. Matt Carmichael - Marram

音楽都市グラスゴーより。前作もよかったですが、今作も全く引けを取らず。サックスが先導しつつ行く先々でフィドルやピアノと繰り広げられる三つ巴のバトル。あのへんのフォーク好きなら是非。

15. Michael Wollny - Ghosts


またまたACT。こちらは去年ずいぶん鋭角な作品を出してたので身構えましたが、聴いてみればそんなことはなく。振れ幅大きすぎて呆気にとられますが、これは素直に聴ける一枚です。

16. Oded Tzur - Isabela


今度はもいっちょECM。ジャケットの色味よりは動きのある音楽。トラック数も少なくコンパクトなれど、しっかり浸れる一枚……という感。このレーベルにしては感情が表に出てるような。どうだか。

17. Or Bareket - Sahar

ベーシストがリーダーということで、要所でなるほど……と思わせる一枚。電子楽器の音にフュージョン脳を刺激されつつも、中身はわりとインプロ回し寄りなのでジャズ風味強め。かっこいいね……。

18. Richard Bonnet - Depuis longtemps


ここにきていきなりのフリーなノリ。去年のそういう路線だと自分が挙げるならこれかなと。1曲目がツボなのは自明として、2・3曲目は和音がイイし4曲目はある種プログレ的に聴けるので楽しい。

19. Seamus Blake - New York Factor vol 1

スタンダードも交えつつの一枚。これも1曲目イントロの下降音型からグッとくる枠。ボサノヴァなアレンジのWaltz for Debbyに癒される。他の曲もそれぞれ引き締まった楽しさがあり中身たっぷり。

20. Søren Kristiansen & Thomas Fonnesbæk - The Touch

デンマークのピアニストとベーシストがOscar Peterson と Niels-Henning Ørsted Pedersen にあやかった作品集。息の合ったコンビでバランス感覚もこの上なく。名曲を存分に堪能できる傑作ですね。

21. Sylvain Rifflet with Verneri Pohjola - Cake Walk from a Spaceship

フランスのサックス奏者がフィンランドのトランペッターをゲストに招いての一枚。相性がいいのか、ユニゾンのはまり具合が際立ちますね。他メンバーもそれぞれいい音色しててかっこいい。

22. Varre Vartiainen - Almost Standards

これまたフィンランドから。アルバム名に違わぬスタンダード感あふれる作品集。ビバップなソロの応酬もあればゆったり聴かせるナンバーもあり……と、どこをとってもおいしい音の詰め合わせ。

23. Walt Weiskopf - European Quartet: Diamonds and Other Jewels


サックス奏者がリーダーのカルテットだけあって、同楽器の力強さが光るなあと。疾走感と縦横無尽に駆け抜けるノリが合わさって盤石の音運び。足下もしっかりしていて始終楽しく聴けますね。

24. Will Bernard - Pond Life

いきなりのハモンドオルガンプログレかな?と思われるレベルのロック色ですが、まあインプロのノリはやっぱりジャズかなと。その後もサイケ的なギターロックの要望を呈しつつ、でもジャズ。

25. Will Vinson - Tripwire

録音期間わずか一日のコードレスなアルバム、と聞くと即興色強そうだなと思われますが。その実かなり聴きやすく、気軽に楽しめる一枚。1曲目の一筋縄ではいかないリズムがツボ。


というわけで、ジャズ周辺のもろもろでした。
直感上等でサクッと選びましたが、どれも楽しく聴けていいですね。
それでは、どれくらい続くか皆目見当つきませんが。ひとまずここまで。


次、どうまとめようかな……。