ミリオンセットリスト No.64 the pillows タネ明かし的な何か。 (2/2)
以下、手始めに。
まずは2019年に書いた前半部分の記事より、そっくりそのまま。
monochromeclips.hatenablog.com
そんなものに参加していました。
https://twitter.com/monochromeclips/status/974406741713498112
↓こちらがそのダイジェスト動画です
www.nicovideo.jp
ざっくり説明すると、アイドルマスターミリオンライブ!の各キャラに、一人一曲ずつ自分で指定したテーマに沿った曲を組み合わせましょう、という企画です。
なんと5人も同じテーマを選んだ人がいたという(そういう私は最後の一人なので、完全に4人の背中を見ながら突っ込んでいった形ですが……)。
↓あまりの被り具合に興味を持った主宰者(シンゴ (@raka3456) / X)さんが、参加者5人を集めたチャット座談会の場を設けて下さりました。本当にありがとうございます。
singm.blog70.fc2.com
さて、この場では座談会でも触れられなかったあれこれについて一曲ずつ書いていこうかな、と思っています。蛇足といえば蛇足かもしれませんが、まあお付き合いいただけると幸いです。
……というわけで。こんな前段に始まり勢い任せでつらつらと文章を書き連ねていったのが2019年のこと。もはや記憶の彼方……となっているかというと、実はそれほどでもなかったり。なんだかんだ、当時かなりしっかりと選定に時間を費やした末参加に至った背景があるので。流石に当時と同じ熱量と分量で書くのは厳しいですが、ひとまずできる範囲でまた言葉を並べてみようかな、という次第です。
かれこれ6年ほど、何か新しい記事を書くたびずっと頭の片隅に引っかかっている懸案事項でしたが。歩を進める契機となったのは他でもない、2025.02.01の一件。
pillows.jp
まさか、そんな日が訪れようとは。
この記事を形にするのに先立ち、ひとまずその事実を受容するに至る過程についてまとまらないなりにまとめた文章を綴っていますが。
monochromeclips.hatenablog.com
その延長線上にあるこの企画についても、これを一つの区切りとしてカタを付けなければならない……という思いに駆られ。そんなこんなで、漸く宙ぶらりんなこの記事を完成させる決心がつきました。
まさかこんな形である種の強迫観念に駆られようとは思いもよらなかったものの。過ぎにし方への訣別、という意味ではまたとない機会でしょう。長丁場にはなりますが、思い立ったがなんとやら……ということで。
ここはひとつ駆け抜けていきましょう。
あの頃は右も左もわからず直打ちしていたところ、せめて目次ぐらい添えたいよね……と思える程度には体裁を整える余裕もできたので。簡素極まりないとはいえ、そんなところにすら年月の経過をダイレクトに感じてしまいますね。
それでは、つれづれなるままに。
第四部
4-1 篠宮可憐『Good morning good news』
――今逃げ出した日の 痛みを胸に旅立つ――
イラストの選定については前半の文中でも述べていたように、大別して①曲となんとなく印象の合うもの、②ライブや歌と関係したシチュエーションのもの、はたまた③単純に好きなもの、というところが挙がってくる、というところを踏まえつつ。「夏が香る景色」、これはわかりやすいチョイスですね。海と太陽、穏やかながら芯の強さを感じさせずにおれない表情。選曲事由ともかかわってくるわけですが、その詞を読むと言わんとするところはなんとなく伝わるんじゃないかと。
第四部の口火を切る一曲、ということで『Good morning good news』が選ばれているわけですが。「始まり」と「朝」というイメージの連結、という部分についてはセットリスト全体の冒頭に配置した『Beautiful morning with you』について触れた際にも少し言及していましたね。曲調の明るさやテンポ感、推進力といったところに乗せて語られる希望。
曲順について、前項で先走って触れてしまいました。それでなくとも、この曲がアルバム『Smile』の一曲目であることを考えれば。意外性には乏しいかもしれませんが、まあ順当と言っていいんじゃないでしょうか。イントロの開け方もまた、ここから始まる何かを予感させるに足る説得力がありますね。
4-2 天空橋朋花『Wake Up, Frenzy!』
――痛み出した日常を ぎゅっと潰してくれ――
「安らぎの眼差し」、これまた曲に対して相補的なスタンスをとる選択だよなあという実感があります。とはいっても、素直にイラストだけを見るとそこに描かれているのは優しい笑顔。……なんですが、この閉じた口の角度をじっと見つめていると。そこはかとないいたずらっぽさが見え隠れするようなしないような。そんなわけでこの曲このイラスト。
ここで選ばれるは『Wake Up, Frenzy!』ということですが、そりゃもう個人的にめちゃくちゃ好きな曲の一つです。引き伸ばされるM7を多用して生まれた浮遊感たっぷりのAメロに対しゴリゴリのBメロ~サビ、というその構成。一見メロウなようでその実かなり攻撃的、とこれまたコントラストのはっきりした詞。こういう二面性を「手懐ける」という意味で、考えるうちすっと落とし込まれた組み合わせだったと記憶しています。
前曲のAに対してF#mということで、繋ぎは心地よいところに収まってるんじゃないかと。可憐から朋花ということで表面上はわりとおっとりしつつも、やってることは全くそんなことないよね、と。そのあたりがこの先にも活きてきます。
4-3 双海亜美『Comic Sonic』
――飛び込み台の上に立ち コワいくせに飛んでみたい――
「自由奔放ないたずらっ子」は概ね曲ありきのチョイスといって差し支えないでしょう。亜美真美の二人をどう位置づけるか、というところに沿って曲を決めているので、自然その思考に引っ張られる形でイラストも好対照を成しているかな、と思わなくもなく。複数人でわちゃわちゃしてる構図も◎。
正直なところ、絶対これだろう!というよりはこれなら噛み合うな、くらいのテンションで選んだ曲だったので。座談会で皆選んでますね、ということでトピックに挙がるまでそのことを強くは意識していなかったんじゃないかと(もちろんその一方で、自らの強い意志でこれ!と選んだ曲は逆説的にそういったことを意識してしないような気がしないでもないですが)。とりあえず、じゃあなぜこの曲というところに関しては。タイトルにも表れている曲のコミカルさと、期待と不安が正面から見据えられた詞の高揚感。このあたりでしょうね。あとけっこう歌い方がザラついてて特徴的なので、そのへんもハマるか。
前曲の閉じ切らない終始から繋がれるわけですが、あちらもサビ周りを聴けば基調となっているのはAなので。連続して聴けば、アウトロとイントロの核となる音がいい塩梅にそれぞれを連結してくれる様を味わうことができます。一呼吸置きつつもノンストップで突き進んでしまいたい、といいますか。そんなこんなで駆け抜けつつ、いったん小休止のMC。
4-4 萩原雪歩『New Animal』
――審査員は自分自身の他に 誰もいらない――
儚さや穏やかさともまた趣を異にした、立ち止まっていられなそうなくらい前を向いた明るさ。そんなところからの「FirstStage」という選択でした。あてがう曲にバラードやミドルテンポのそれを据えていないので、そこと合致するように。ここが強く意識された結果ですね。曲もすんなりいったので、結果的にイラストもすんなりいったんじゃなかったかと。
過去既に言及していますが、『New Animal』こそ私をthe pillowsに引き合わせてくれたきっかけの曲……ということで、自ずから意志のこもった選曲となってしまわざるを得ず。ミリオンライブの企画ではありましたが、イメージの根底にあったのが『ALRIGHT*』だったのは間違いないところでしょう(イラスト名こそ「FirstStage」ですが、そこはそれ)。個人的な思いとしては、雪歩がこれを歌うことで聴く側が受け取れるエネルギーがいっそう大きなものになるのでは……という予感が今なお確信的なものとしてあります。と、そういえば。今になって思うのは、ラスサビはあのライブアレンジでいくのかな、というところですね。わりと雪歩ならアレンジ版の音列との親和性も高そうだな、とかなんとか。これまた楽しみなところで。
前3曲でいったん区切りを設けたところに、空間を切り裂くあのイントロが鳴り響くわけで。先ほどまでとはまた違った色を見せてくれるんじゃないか、という期待が膨らみつつ。この後に控える一群に先立ち、まずは盛り上がりつつもしっかり落ち着くところに落ち着きます。
4-5 四条貴音『Skeleton Lair』
――風は何も言わず体を 突き抜けてく――
はい、「望郷の思い」ですね。これは当然その(今も?)ヴェールに包まれたパーソナルな部分を……というイメージを想起させるイラストなわけですが。実のところ、それをそのままクローズアップするように見せたこのチョイスは一種のブラフだったり。なぜなら一貫して「歌ってもらいたい」が根底にある以上、観客の受け取るものはあくまで曲に依存するのかな、というふわっとした思惑があるからです。というわけで、実はあくまで曲からの連想でここに収束したのでした。
座談会でも少し触れていますが。『Skeleton Lair』はいっそアコースティックなアレンジも映えるのではないか、と踏んでの選曲でした。『風花』くらいの温度感も難なく歌いこなすイメージはあったのですが、ごりごりのロックにシャウトとなればどうなんでしょうね。それはそれで見てみたいところでもあります。象徴的な事物がまぶされたthe pillowsらしさを感じる詞ですが、投げつけるよりは投げかけるようなテンションで歌い上げる姿を想像して耳を澄ませたいですね。
前曲の終止との連なりで言えばこれまた近縁というところにありながら、アレンジが変わればまた異なる色味を帯びてぐっと引き込まれるものがあるだろうなと。まずはゆったりと身を任せたいところ。
4-6 伊吹翼『日々のうた』
――夢じゃない どれも全て 二度とない‘日々のうた’――
周年イラストは背景はどうあれポーズが合致すると判断したから選んでいます、の「HAPPY PERFORMANCE」。まさにこの曲を歌っているときの立ち振る舞いが、このイラストに描かれているような「遊び心もあるリラックスした雰囲気でありながら、その表情には僅かながらどこかしっかりとした部分を感じさせる」という側面を想起させてならない、というわけで。
大好きな歌です。そして同時に、選曲意図が見えてこないという反応を予感していた組み合わせです。とどのつまり、言ってしまえば他のどの曲よりも「イメージソング」としての側面からかけ離れた選曲だと思うわけです。そしてこれに対する回答も既に明白で、要は「聴いて何か思うところが生じそうな」というところの極北です。当然「the pillowsの歌うそれが自身にとってパーソナルな詞か否か」という論点についてもあえて切り離して考えています。そんなこんなの詰まった選曲ですが、今思い返してみてもなお。やっぱり直接的なイメージの源泉はゲッサンのそれだったよな……と思います。今思い起こしてみても本当に、素晴らしい作品でした。不朽の名作ですね。
これもまた、近い音で結びつけられながらもその空気感はがらっと変わるというタイプの繋ぎですね。アコースティックなアレンジからの流れともなれば、サビのタンバリンあたりが良い味出してくるんじゃないかと思ったり思わなかったり。歌いながら振ってるのもいいかもな、なんて。というところで、締めの前に一息つきましょう。
4-7 二階堂千鶴『トライアル』
――言い逃れして 拡げなくなった地図を 再び見てる――
これまたポーズで決めた「BELIEVE MY DREAM」。周年イラストですね。近いポージングのイラストは他にもあるんですが、こちらも表情を踏まえたうえで曲で見据えていたことと合致するのはこれかな……ということでのチョイス。肩肘張らない凜々しさ、ですかね。コミカルなところや情感の浮き上がったイラストも多いなかで、ちょっと視点を変えてみた結果。
そこかしこに痛みの散らばる歌詞ではあるんですが、根本的なところはその曲名の通りなんじゃないかなと。そういった意味で、自身にへこたれない信念がある人こそこれを歌うに足るのかな……とかなんとか。穏やかに開けてゆく曲調もまた、その人となりを自然と想起させてくれますね。真っ向から明るい曲ではないけれど、聴く人の心に明かりを灯すような。
MCを挟みつつの第四部ラストということで、結末を迎えつつも次を予感させる配置。特に後半はここまでのセクションより相対的に腰を据えて聴きたくなる選曲が続きましたが、ここでぐっと前を見据えて行ければ。まだまだ先は長いので。
第五部
5-1 永吉昴『その未来は今』
――目を覚まして夢を知った その未来は今――
「プレイボール!」。これはもう、わかりやすく。一番推進力を感じるイラストだったから、という理由に他ならないですね。選曲と配置が必然的に求めるものを限りなく具体化した結果。この表情がまた良くてね。
第五部突入、ということで。ここもやっぱりスタートダッシュを決められる曲で責めていきたいところでしょう。それでいて身体を動かしているイメージが先行するアイドルといえば、と。実際は曲を考えてから並べたと言った方が実情に近いですが、選曲事由そのものはなんら変わるところありませんね。至極すんなり決まった覚えがあります。かわいいところや優しいなど、前に出したらそれはそれで……という側面も多々ありますが。今回は勢い全振りということで、ひとつよろしく。
既に述べたとおり曲を決めてからの話ではありますが。一発目に差し込みたい曲としてこれを挙げないわけにはいかないでしょう。各セクションの繋がりも見つつ結果的には今の第五部トップバッターという位置に収まりました。切り込み隊長ですからね、目指すは俊足巧打といったところでしょうか。
5-2 三浦あずさ『ムーンマーガレット』
――悲しみを全部飲み込んで 笑いたいんだ――
当時一番迷ったのがあずささんだったのは今も鮮明に覚えているところですね。単純に、許容できる表現の幅が格段に広いので。どんな選択をとってもある程度得心がいってしまうな……という難しさでした。そんなところに「無垢な花嫁」ということで、曲も合わせて考えるとなんなら桃子や翼よりこちらの方が疑問符が浮かぶものになっているかもしれませんね。でもやっぱり同じようなところに端を発していて。詞を逆手に取る意味で、歌う側のあずささん本人によせる描像としてはあくまで悲劇的な要素は意図せずに。コントラストの妙ですね。
というわけでその選曲は『ムーンマーガレット』となるわけですが。まあ、the pillowsキング時代の曲で考えるとわりと珍しいタイプの曲よな、と思います。ラブソングとして聴ける曲は数あれど、直球で「愛」という言葉を歌っているイメージはあまりないですからね。その一方で、じっくり詞を読み直してみればなかなか切ないというか。その先に対して拭い去ることの出来ないような暗さは予見させないけれど、というところが彼等らしさにあふれた救いなのかな、と思ったり思わなかったり。改めて、こういう曲を歌ってもらってもしっかり響くものがあるんじゃないかな。
前曲が終止しきらずに重心の高さを残したところから、ややふわっと入るこの曲で落ち着きを取り戻すような。そういう空気を醸し出せる繋ぎですね。このセクション、幕開けこそ威勢の良さで突っ走るものの。この先はやや遅め~ミドルテンポくらいでがっつり歌い上げる側に回っていくイメージ。そういう構成なので、いったんしっかり地に足を付け直しておこうと。
5-3 エミリー『ONE LIFE』
――偽物じゃない光 キミは僕の光――
そりゃ曲が曲ですからね。「想いをはせて」ということで、イラスト名そのものが詞を体現するならそれは素晴らしいことで。もちろん描かれている中身も。真っ正面からの構図に、背後から刺す光。徹頭徹尾曲ありきですね。このイラストの空気に包まれて歌う姿、もはや神々しさの境地。
『ONE LIFE』という曲について、聴く側をそのまま「僕」に向けるならば。そこで聴かれる歌はその詞全体をも包み込めるような、それでいて遠くにはいかない等身大の表現ともにあってほしい。そんなことをぼんやりと考えつつ。「キミ」という手の届かない光を実感を以て認識するのではなく、もっと抽象的な意味合いを帯びて響いてくれたら。……と、概念めいた何かを書き並べたところで。セットリスト中でも一、二を争う穏やかなテンポ感で紡がれる曲なので。いかに歌うか、という部分を考えても固い組み合わせと言えるんじゃないでしょうか。
ここまで3曲が前半戦というイメージで。繋がりのよさもある程度意識しつつ、それぞれがそれぞれに着実な足取りで場を整えていくような。というのもここ超えたが最後、一曲一曲が容赦なく殴りかかってくるので。まあまずはその前にMC。
5-4 野々原茜『この世の果てまで』
――この世の果てまで 投げ捨てに行こう――
はい、前半でまだあるよと言及していた「アルティメットライブ!」です。これはもう、茜ちゃんに抱く象徴としての印象ががっつり具現化されているイラストといいますか。無論その選曲如何では全く異なる選択でも腑に落ちるものはあると思うんですが、ここはあの曲ならそりゃこうなるのよ、ということでかなり己の意志強め。そういう曲じゃないですかね。
少なくとも、歌に関する茜ちゃんのイメージ。それはもう、LTHのそれがなにより先に出てくるものでして。だから自然、いまでも記憶に残っているのはミリグリPこと敬告さんの手になる『ピエロ』のMAD*1だったり。はたまた同じように印象と連結として記憶の中に固定化されたイメージがさだまさし『道化師のソネット』だったり。そういうことで、もう彼女には全力でそういう方向性の曲を歌ってもらうしかないな、という。なればこそのこの選曲、なればこそのこのイラスト。いざ。
前セクションに続き、これまた一息ついてから今度はドラムが空間に割って入るという構成なので。ガツンとパンチを効かせて欲しいところですね。これは今だから言えることですが、この曲は定番のMCが……というところもあるので。そのあたりも噛み合うんだなあ、とかなんとか。まあ何にせよ尺はどうあれ煽りに煽ってくれるのは間違いないでしょう。
5-5 最上静香『ハイブリッド レインボウ』
――ここは途中なんだって信じたい――
レアリティは考慮の外に置くぞ、という意志をひしひしと感じます、「秘めたる思い」。これはモチーフより内面に当たる部分を優先して当て嵌めた一枚でしょう。どう見ても夜で月ですし。でもまあ言わんとするところは分かるんじゃないかと。曲を聴け、てな話ですね。迷った覚えも殆どないかな。
このセットリスト全体について、おおよそ半分くらいはパッと思いあたった曲の中から即決しています。その事実を踏まえると、これはもうサクッと、といったところでしたね。どうしてもそういう曲が好きなので、『Catch my dream』の印象が色濃く表れています。もはや自明ですが、もちろんここでも対象の捉え方は揺らぐことなく。この先バンドの節目となる曲目もふんだんに組まれていますが、その部分については一貫していることを忘れずにおいて下さればこれ幸い。
元がフェードアウトなので、ここは余り繋ぐことを意識せず。それこそ一歩ずつ踏みしめていくように。やがて爆発力を伴った奔流に呑まれていき……ということで。とはいえラストは発散せずに、次曲に向けまた足並みを揃え呼吸を整えます。
5-6 北沢志保『1989』
――今になって 群れながら 僕はやっとここに来た――
茜ちゃんを触媒としてしずしほを並べている構成なので、必然的にクレシェンドブルーが頭を過ぎりますが。まあそれは当然意識しつつも、それぞれがそれぞれに「今」に立脚した選曲を……ということで。こちらは「絵本」ですね。当然、『ハイブリッド レインボウ』と『1989』という2つの曲のイメージがそのままそのイラストと強固に結びついています。ここはやっぱりセットよな、と。
これもまた、企画以前にバンドにおける意味合いが途方もなく濃い曲ではありますが。それでもやっぱり、過去と今という軸を据えたときに浮かび上がってくる『絵本』という曲とのアナロジーは抗いがたいものがあり。結局そこはあえて考えないことにするという選択を採った結果、ガンガンそういった曲が組み込まれたリストと相成ったわけですね。改めて考えてみてもやっぱり、この選択をあえて退けんとする意志は殆ど沸いてこないといいますか。自分の中で確固たる説得力が生まれてしまっているので、それならそれでひとつの答えなんでしょう。
言うまでもなく、前後関係をこれ以上ないほどはっきりと意識した曲順です。前に関しては先に述べていますが、後ももちろんその例に漏れず。といいつつも、曲調としては後ろへの繋ぎはがらっと雰囲気を変えて。言ってしまえばひとつのゴールが待ち受けるイメージですね。最後は笑って締めたいじゃないですか。はやる心を抑えつつ、まずは締めに向かうべくMC。
5-7 矢吹可奈『Beehive』
――今信じてみたくなったんだ――
可奈の持ち曲としては、誰がなんと言おうと「おまじない」に止めを刺すといって憚らなかったのですが。ここで選んでいるのは「オリジナル声になって」というわけで。まあ単純に、イラストとして選曲との組み合わせを考えたときやっぱりこっちよな、という単純な帰結ですね。目を閉じてじっくり歌い上げているんだけれど、やっぱり歌を歌うことに対する楽しさがどこか滲み出ているような。曲とイラスト、それぞれの二面性。
これはもう、まさしく大団円です。なんなら皆出てきて歌っててもおかしくない。ここまでの様々な悲喜こもごもを抱えつつ、不安や期待がないまぜになって弾けるポップセンスとともに炸裂するという。それこそ、「おまじない」を思い出してしまいますね(今でもイントロの詞を諳んじるだけで優しさがじんわりと広がるのを実感します)。アウトロのことを考えれば、いっそかなしほの2人で……というのもおいしいんじゃないか、とかなんとか。なんにせよ、終わりよければなんとやら。
曲順については、既に出尽くしてしまってます。まだ全体を見据えずに小さなまとまりをいくつか用意していた段階で、後ろ4曲の塊は確固たるものとしてそこにあったのが懐かしいですね。改めてざっと流してみても、この終幕は出色の出来じゃないかなと。自画自賛ですが。
第六部
6-1 舞浜歩『Midnight Down』
――世界を吹き飛ばして 自由だけを吸い込んだ――
Midnightなのに思いっきり太陽おるやんけ、というのはご愛嬌。まあ、いっそdownをdawnと引っかけてしまえば……という適当な思惑が多少なりともなかったか、と問われれば。これはもう、あったと言わざるを得ませんね。それはそれとして「マイミュージックスタイル」、詞の面でも直接的には暗闇からの脱出というモチーフを歌ってるわけなので。そう考えれば光を背にこちらへ腕が伸びているこのイラストもしっくりくるかな、なんて。そんなことを考えてみれば、先ほどの冗談もまた「朝」にかかってくるわけだな……とかなんとか。悪くない。
ポップな曲調とガンガン切られていく舵に振り落とされないように。流れるようなメロディー構成の妙に彩られつつも、随所に見られるアコースティックな音色と詞の空気感が光る一曲ですね。こういうテクニカルな部分をさりげなく引き立たせてくれそうなのが歩かな、と。イラストと選曲も合わせて考えるうち自然とこの曲に辿り着いていたような。あとは茫漠たる印象ですが、「自由」というキーワードと歩のカッコいい側面はわりと相性良いですよね。さながらフリースタイルといいますか。そんなところ。
イラストについて語った内容を踏まえても、曲調の面でも。これは冒頭に置くべきして置いた一曲ですね。結果的に第五部と言うところに位置していますが、全体を並べて考えたときにも前セクションでひとつの山を越えたのち訪れるこの場所がしっくりくるな……と思います。
6-2 百瀬莉緒『ロンサムダイヤモンド』
――キミは間違ってないのさ ありのままでいていいのさ――
イラストが「WHY?」で曲がこれじゃあまりに寂しかないか、というと。実のところその読みは必ずしも意図したものとは言えないわけで(そんなんばかりですね)。相も変わらず対象のとり方が異なるので、寧ろイラストは応援する側のイメージに近いといいますか。そこを踏まえてもなおギャップがあるかな、と思えてくるのは。まあ、曲名イラストだからでしょうね。もちろん大好きな曲ですが、ここではそのものそのままなイメージからは少し離れて。こればかりはやっぱり当て嵌める曲を見ないことには、というものでしょうね。
で、『ロンサムダイヤモンド』ですね。これはイメージとしては千鶴さんの『トライアル』とほぼ同様のラインです。だからこそこの二人に関しては、わりと近いところで迷っていた覚えがありますね。結局「憧れ」というワードが頻出する『トライアル』を千鶴さんに。一方の莉緒姉には、サビのフレーズはそのまま莉緒姉に投げかけたくもあるよな……という想いをそこはかとなく込めつつ。これをあの表情で歌われたときには、なんというか救われるものがありますね。
冒頭は気怠げに入りますが、意外と前曲の爽やかな終止からもスッと入ってくるような。そう考えてみると、この曲もサビ以外はわりとクリーン寄りな音像といえなくもないので。そのあたりも収まりの良さに繋がってたりするんでしょうか。……にしても、良い進行してるよなあ。
6-3 馬場このみ『スケアクロウ』
――僕は旅を続けるつもりだよ キミを連れて――
「手と手つないで」ですか。これははっきりと、ズルいチョイスしたなあと思わないわけには。というのも、セトリの意図や選曲の意図を踏まえつつ裏をかいているからですね。これに関しては直球で、曲がそのまま当て嵌まっちゃう表情しとろうに。そういうことですね。歌としてはここまでも示してきた概念を踏み外すつもりはなかったものの、ちょっとぐらいまんまバディとでもいいたくなるそれを選びたくもなってしまった……という。まあ、ようは良い表情してますよねってことで。
というかこれ、曲もわりとそう読み取れてしまうなあと。でも聴く側もなんとなくそれはそれで……と思えてしまいそうな。とはいえそうは言っても、最年長者として……とか。あれだけ音楽に感情を乗せられる人の歌うそれなので……とか。やっぱり聴き手それぞれに(あえて挙げるなら共演者にとっても)様々な視点を与えてくれるような気がしますが、それぞれにとって訴求力のあるあの歌声で聴きたいよな。なんてね。
このりおで並べたいなというのはもちろん意図していて。この2曲ならまあこの順よね、という部分はすんなり。結果的に落ち着いた雰囲気から次でグッと持ち上げてもらおうという流れに。ここもまたなかなかどうして悪くない起伏の妙でしょうか。というわけで、色々ありつついったんMC。
6-4 福田のり子『FUN FUN FUN OK!』
――信じてるだけさ 約束なんてない――
わりと曲まんまなんじゃないかな、と思わないでもない「マイペース☆マイウェイ」ですね。あくまでイラスト名より描かれているイラストそのものを起点として選んでの結果ですが、それでも……ね。ここでキメてほしいポジションを考えてみても、そりゃイラストになるでしょうよ……という。がっつり持ち上げて欲しいところなので。晴れの屋外ステージというところがまたいいですね。
ここは完全に前後を繋ぐ鎖の役目になるといいますか。まあ後ろにも濃い曲が控えてますからね。寒暖差で風邪を引くわけでもなし、テンションはある程度振り回してこそでしょう。改めて詞を見てみると、まんまのり子っぽいモチーフも散見されるんですが。それはそれとして、当時は主にサビの突き抜けたノリで選んでたような気がしますね。存分に煽って下さいなと。
曲順については上に述べたとおり。核となる塊をいくつか考えつつそこに選曲が連なってきて、そこから全体の構成へと歩を進めるに従い間を埋めにかかる。そんな感じで形作られていたので、こういう橋渡しを担ってもらっている子は曲と曲順がほぼ並行して考慮されていたような(前半戦含め、他にもそういうパターンで決まった部分は多々ありました)。というわけで、次からまた別パートなイメージ。
6-5 所恵美『Swanky Street』
――壊れてもいいんだ――
これはもう明らかにメタな視点が入り込んでますが、そのうえで選ばないわけにはいかないよなと。この曲順に「トライスタービジョン」ですからね。とはいえ、恵美に焦点を絞ってイラストを考えるうえでも。一人より皆で、というところがその選定基準にしっかりと据えられていた印象はあります。このあたりまで話を進めるともう詞の話になるなあ……というわけで次はそのあたりを。
桃子や志保のそれと同様、この『Swanky Street』という曲についてもこの企画における捉え方は一貫しています。といいつつも、そうなれば今度は翼のそれと重なるわけで。結局、またまた「歌ってほしい」という部分がそのまま回答となるわけですね。恵美とこの曲の組み合わせ、という形で辿り着いてこそ。聴き手にとっての「僕ら」が空虚なものじゃないんだという意味も込めて、あのイラストに説得力が出てくる……というと言い過ぎですかね。でもやっぱり、今なおそう考えてしまう。
以下3人は多少曲は変われどこの流れしか、というイメージだったような。まずはその組み合わせが真っ先に核として形成された、という点に尽きますね。琴葉を中心に据えつつ、前後で挟む2人については可奈のそれ同様の流れ。ようは殿に落としどころとしての突き抜けた明るさをイメージすると、必然この形に。そう並べてみるととやっぱり、この曲のイントロはぐっと聴き手を引き寄せるものを持ってるよな……という思いも一入。
6-6 田中琴葉『Funny Bunny』
――キミの夢が叶うのは 誰かのおかげじゃないぜ――
まあ、これはね。座談会でもしっかり触れてますから(流れに追いつくため端折った部分を埋めていただいた注釈にも感謝せねばですね)。「Welcome!!」なんだよな……という事実が後からから追いかけてきた、といっても過言ではないですね。そのくらい、曲との組み合わせで即決。というか、このイラストに関しては。万が一異なる曲を選んでいたとしても、多分これを選んでたんじゃないかなあ。それほどまでに意志に満ちたチョイスでした。両脇を支える2人の眉や口、汗なんかにみえる細かな表情の差がまた絶妙よな……という好きポイントを添えつつ。
あの座談会で触れた内容に何を足すことがあろうか、という。なんて言いたくもなりますが、まあ今まで通り書き並べていきます。まずはやっぱり、いくら当時の琴葉に向けた選曲というところが起点にあるとはいえ。そこは『Funny Bunny』なので、当然ここでも通底するものとして「歌ってほしい」がその到達点となっています。これだけの時間が経過した今にあっても、琴葉にこのサビを歌われた日には思わずその場でくずおれるのも致し方なし……という心境ですね。
曲順についてはほぼ触れ終わっているも同然ですが。意味合いのうえでは確固たる核としてその前後を固めてもらいつつ、穏やかながら大きなうねりとなって第六部も終盤に差し掛かります。次の2曲は謂わばフォロースルーですね。
6-7 島原エレナ『空中レジスター』
――キミと月が並んでて 僕を照らすんだ――
グリマスで実際に手に入れたカードの中から、これ!というものを3つ挙げよと問われれば。おそらく当時も今も「記念スナップ」「vivid color」(どちらも紗代子の選曲にがっつり噛んでいてわかりやすい限り)と並べて挙げるであろう1枚が「The sun」だったりします。このイラスト、本当にずっと変わらないかけがえなさがあります。満面の笑みと向日葵、そして背後には太陽。タロットイラスト特有の褪せたような質感がまた良いコントラストになってますね。エレナで1枚選ぶなら、というところをしっかり曲と組み合わせて選べたのは嬉しい限り。
サンバだし羽だよね、とかなんとか言ってる場合じゃなく(それはそれでおいしい符合ですが)。まあやっぱり「キミ」そのものですよね。真っ向からモチーフとイラストのテーマが合致してしまうという。翻って、逸話を踏まえても羽をもつ側は聴き手となるわけで。……なんて書き並べてみると。こと「僕」と「キミ」として考えを進める分には、受け取る側にとっても文字通りのハッピーエンドじゃなかろうか。問答無用でブチあがれ。
前曲で迎えた山場をさらに超えて、めざせ空へといいますか。会場のボルテージは「The Sun」よろしく陽へ陽へと。そんなノリで3人によって形成された種が豊穣を迎えたところに、MC明けで最後の曲が全てをかっさらっていきます。完璧ですね。
6-8 我那覇響『Freebee Honey』
――この両手と両足で 出来る事がまだあるはずだ――
完璧ですね、と前項を締めたところに「完璧アイドル!」。そりゃもう狙い通り……なんて言ってますけれども。実際の選定理由はもっと単純に、今までどおりの曲先行です。改めて眺めてみると、止めの美しさとカッコよさが存分に感じられる一枚かな、という印象を受けますが。いざ合わせてみればアップテンポなロックチューンの躍動感ともしっかりマッチしていて、さすが完璧だな、となるわけです。しつこい。
で。なぜそうまでして「完璧」を強調していたのかといえば、それはいたって簡単な話。『Freebee Honey』の詞にそのまんま「完璧」という単語が現れてくるから、ということになるわけで。これも当時はそんなこと考えてなかったよな……と思いつつ、偶然の一致に思わずガッツポーズ。当初の選曲事由はこれまたわかりやすく、ここまでの流れを全部まとめて回収していきたいというところに尽きます。勢いに満ちたフレーズの応酬で、瞬く間に全てを薙ぎ払っていくかのような。そういう役目にぴったりの曲じゃないかと。
これまた、もう曲順については書き切っちゃってますね。確か最初はレジスター締めもありかなと考えていたんですが、次の段階に進んだときにこれだ!と。ずっと言ってるのでまたかとなりますが、これもまた会心の締めだったなと思います。と、いつの間にやらもうラストスパートですね。ここまで来たからにはしっかり最後まで見届けねば。
第七部
7-1 星井美希『アナザーモーニング』
――生まれ変わる朝が来た――
これもまた、その曲でこのイラストかシリーズといいますか。約束なんてないと言いながらの「ヒミツの約束」。でもこれはある側面から見ればちゃんと繋がっているような。扉の向こうには、ですからね。曲そのものはもう少し直接的に受け取りつつ、イラストにはやや隠喩めいた解釈を投げかけた結果の組み合わせ。これくらいのひねくれ方もらしいっちゃらしい。
この選曲は直感ありき。生まれ変わる朝、を幾度となく(種々の媒体で、様々な形を伴いながら)経験してきた印象が強い子ですからね。一見前を向いているようでありながら、その実終始外からの救いらしい救いは訪れないという曲でもあるので。ちょっと考えを進めるだけでも、本当にいいの……?となりかねない選曲なわけですが。いろいろ考えてみると、そういうところを超えてきた結果の今という部分に対して。「我」の何たるか、というところを見せてくれているのが美希じゃないかな……とも思ったり思わなかったり。そうして考えてみると、今でもしっかり選んだなりの説得力は見えてくるかな。
はい、ここにきてまた「朝」=「始まり」というお決まりの型ですね。ここまでずっと並んで走ってきた聴き手にもガツンと響くあのイントロを契機として、そのまま一気呵成と言わんばかりの勢いで全体を締めにかかります。
7-2 如月千早『Fool on the planet』
――世界が笑っても 自分を疑わない――
まあ、ここまで来たらもう何を言うまでもないといいますか。やっぱり「グリマスを踏まえての選曲」ということに尽きるんですよね。自身の持ち曲として「Just be myself!!」を歌うまでになった千早って、もうそれだけで。というわけで、これに関しては。曲名カードたれ、という部分を存分に意識したチョイスになってますね。そのうえで、この構図に表情。この曲を渡すに足るってものでしょう。
メッセージ性の塊みたいな、というかそのものです。あえてその方向性で眺めるなら、千早にとってももっとパーソナルな部分と響き合わないこともないんですが。おそらくそういったたくさんの要素も歌に委ねつつ、やっぱり核としては「my song is your song」なので。これを歌いこなせる人、ということであれば。あくまで個人的な問答ですが、やっぱり彼女を措いて他にないでしょうね。
迎えに来なくても進むよ、という僅かな希望の先に。ことここに至り、the pillowsのそれがそのまんまリンクするわけですね。まあ次曲も次曲ですから、このセクション前半に関しては意識的も意識的な、という曲順。そりゃあそうでしょうよという他なし。もちろん歌うアイドルの並びの面でも。
7-3 天海春香『雨上がりに見た幻』
――それだけが それだけが 僕らの誇り――
そりゃそのつもりで選んできてますから。どう転んだところで「輝きの向こう側へ!」しかないですよね。流れと曲を見たらわかるでしょ、と。改めてその立ち姿を眺めてみれば。頼もしくなったもんですよねえ、みんな。こっからもう何年経つんでしょう。考えたくもないですね、と目を逸らしつつ。
こればかりは、春香というアイドルのことを見据えつつもその奥に広がるこれまでやこれからのことを覆い被せて……と言わざるを得ませんね。イラストとの符合でいえば、After the Rainということに尽きますか。これ以上何を言えばいいんだろう、とかえって困ってしまうくらい。少なくともこれを選曲する段においては。ミリオンライブの象徴として未来を据えてしまうのと同様の意味で、アイドルマスターの象徴として春香を据えてしまっていますね。これはこれである種の業なんでしょうが、それでも……という想いですね。
黄、青そして赤と。予定調和といわれればそれまでですが。それをやる価値のある選曲だからこそ、ですよね。過去、現在そして未来。でもね、まだ終わりじゃないんですよ。しんみり終わるなんて許しませんからね!と言わんばかり、一気にその手を掴まれます。その先には。
7-4 菊池真『Crazy Sunshine』
――何も不安じゃない――
「FLY TO EVERYWHERE」。青を基調としつつ、直線的な分割でバックの空とステージの屋根がバシッと決まった構図。直感に託した選曲なので、当時はカッコよさに惹かれて選んだくらいの印象ですが。よくみるとハレーション上等で入射している光はステージ照明だったり。ああ、そういう解釈もあるのか。当時は光の出所についてそこまで意識していなかったと思うんですが、こうしてみると絶妙なイラストを選んだものよな……と我ながら感心。
歌ってるところを想像してみるといかにもよな、というノリ。どちらかといえばぐっと掴まれる曲調のイメージで選んだ印象が強いんですが。詞を眺めてみても、そういった曲調からの印象としっかり合致してるんだな……と再認識するなど。先に挙げたイラストとの符合も当時そこまで考えてなかったと思うので、時を経てからじっくり振り替えてみるのも悪くないですね。空白期間への言い訳としては間違っても褒められたものではありませんが、嘘偽りのない一つの感想として。
本編ラストが個人的に動かざるものがあったので、そこに繋がることを考えたときに。人選としても選曲としても、しっかりフィットするものがあるな……ということでこの位置ですね。そこまでの余韻を大事にしつつ、スピーカーから音が聞こえてきた瞬間に空気をしっかり塗り替えていけるようなイントロが欲しいところ。まさに、じゃないですか。
7-5 水瀬伊織『MY FOOT』
――雨も水溜まりも気にしないぜ すぐに乾くんだ――
状況と表情・ポーズの噛み合わせから自然と収まるところに収まっての「キュートなアイドル!」。曲を背後から支える要素として、やっぱりその勝ち気な積極性をひしひしと感じられるところをチョイスしたかったという。もっとかわいいに寄せたイラストが数多あるなかで、このタイトルを冠するイラストで見せてくれる表情がこれ。こういうとこ、たまらないですね。
この曲をラストに据えんとする揺るがない意志については、ベスト盤『Once upon a time in the pillows』の影響を否定するわけにはいかないですね。the pillowsを薦めるなら?という問いに対しては、やっぱりまずキング期の名曲群を叩きつけるのが一番手っ取り早いと思うのですが。その意味では、最初のベスト盤『Fool on the planet』からこぼれ落ちざるを得なかったところをことごとく拾い集めたかのようなあの一枚の完成度たるや。……と、少し脱線しましたが。選曲そのものは、まず曲があるというほどそちらにのみ引っ張られた印象でもないですね。今見てみても深く考えるまでもなく、やっぱり伊織に合わせたい、歌ってほしい詞だよな……と。
また早まって曲順の話を交えてしまいましたが。前項でも語ったとおり、やっぱり真から繋ぎたかったよなと。そのうえで、幕を閉じるというよりいっそ払い去るような。あえて起伏らしい起伏を伴わずに、颯爽と通り過ぎていくその姿をしかと目に焼き付けたいところです。
Encore
En1 ジュリア『Ride on shooting star』
――心の声で散弾銃のように 唄い続けた――
ジュリアにロックを、という意味で考えるなら当て嵌まるイラストは山ほどあるんですが。やっぱりアンコールともなればいかにその場を支配できるかってなもんよな……ということで、カリスマに振り切った「Rock of dawn」をば。合わせる曲によっては発想を変えていたかも知れませんが、結果この選曲ならナシってことはないでしょう。いっそまんまこのポーズとってほしいまである。
全52曲中唯一の、アイドルと曲の組み合わせ被りです(ハバネロPと)。被りについては前半で、基本的には避けるつもりで(例外もあるけど)……という方針を立てた旨、予め言及していましたが。ここにきて漸くその例外です。というか、ああは言ったものの実際これ以外に被りを理由に直感から少しひねった組み合わせって当のランハイくらいなものなので。実質的にはほぼ機能しない禁則だった、ということになりますね。勿論ここでの被りは意識的に。アンコールだし一個ぐらいいいだろ……などと安直に考えつつも、その背後にはやっぱり流星群には逆らえんよなあ……という想いが見え隠れしています。まあそれでなくともライドンはセトリに欲しいところでしたし、もし組み込むならそりゃ歌うべくしてかなと。
アンコール込みで考えることに決めてから今の形に帰結するまでは、かなり早かったんじゃないかと記憶しています。当時はまだ彼等のライブを映像でもちゃんと見たことがなかったので、アンコールがどんな空気かも掴めていないなかでの選曲でした。でもまあ周年ほかもろもろのライブにおけるそれを考えてみれば、これについては何ら違和感ないと言ってもまあ許されるでしょう。というわけでそのまま次曲へ。
En2 大神環『Advice』
――I want see you again someday――
ある意味「もっともっと遊ぼー!」というイラスト名がそのまま選曲事由とも繋がりますが。煽っていくタイプのイラストが欲しいところだったので、その意味でもこれしかないよなとすんなり。カッコよさを感じさせつつも過剰に気負うところはないくらいのバランス感が自然にハマっていて、見ているだけでその盛り上がりっぷりを食らってしまう一枚ですね。
ここにまた唯一の例外が隠れていて。というのも、ここまで徹底して全英語詞の楽曲を選定していなかったんですね。その理由は至ってシンプルなもので、ようは52人それぞれについてそういった曲を歌っている姿が想像できなかったというだけです。ただ、そのなかで少し面白そうな感覚を覚えたのがここに提示されている組み合わせでした。何が言いたいかというと、全部ひらがななノリで歌ってくれそうだよな……と、そういうことです(例えば貴音のそれとはまた違った意味で)。そうはいってもこの曲、歌詞はしっかり物騒なので若干の後ろ髪を引かれる思いもありますが。でも最後ぐらいしっちゃかめっちゃかになって終わるのも楽しそうだよな、とかなんとか。
これまたアンコールありきでの選曲。本編終演後のざわついた空気を断ち切る突然の『Advice』というのは唐突すぎかな……と思いつつ、先にライドンのイントロで沸かせて締めはなだれ込むように……というのが理想かなと考えてこの順番に。アルバム中でも最後の一曲ということも踏まえつつ、ですね。
Extra
Ex1 白石紬『I know you』
――子供じみた瞳に ちょっと涙浮かべてた――
Extra枠についてはイラスト選定なしということで。2018年3月19日のグリマス終了によせた第3回募集でこの企画に参加したわけですが、今確認してみればミリシタのリリースは2017年6月29日だそうで。そのあたり、もう記憶の彼方ですね。
プロデューサーの方々にとって今の紬のイメージは当時と比較してどの程度変化したのか?という点はたいへん気になるところですが(私自身は時が止まってしまっているので……)。とりあえず稼働初期でのイメージとしては、自分をわかってほしい!というエネルギーが起点にある子なんだなあ……くらいの印象でした。稼働開始から1年も経たぬうちなのでまだその意識に捕らわれていたわれていた部分もありつつ、であればそこはいっそ直球で、という。これはちょっと対象をどうとるか、歌ってほしいという位置づけで成立するか一抹の不安があったことも確かですが、最後はいけると踏んで押し切りました。
曲順はあってないようなものとも言えますが、一応形式上はダブルアンコールの形でグリマスから引き継がれゆく流れを想定していました。そういうこともあり、先にじわじわフェードインしてきてぐっと一気に掴まれる方を据えつつ……という構成に落ち着いています。
Ex2 桜守歌織『サード アイ』
――眩しい世界の扉が開いた――
イラストについては上に同じ。何かしら選んでもよかったかもしれませんが、前半でも触れた裏・大テーマ「グリマスの終焉(終演)を意識した構成」というところを大事にした結果として。ダイジェスト動画でイラスト選択なしだと味気なくなるという点については全く考慮できていませんでしたが、ありがたいことにそれぞれ1枚ずつイラストを差し込んでいただいていました。どことなく選曲とも噛み合うような気が、眺めるうちにふつふつと。主宰のシンゴさんに感謝、ですね。
実はこの曲、直感で選ぶなら外すわけには……というくらい大好きな曲なので。これを選ばずして……という個人的な思いもあり、結果的に得心のいく組み合わせを見つけられて嬉しい限りです。この曲、Cメロ~ラスサビで解決に至るまでの詞にどのくらいの感情を乗せるか?というところで印象も大きく変わると思うのですが。強迫観念めいた負の成分を色濃く残した捉え方なのか、あるいは安寧と裏腹の退屈……くらいのイメージか。ここでの考えとしてははっきりと後者に寄せた捉え方で、それまでの別の人生があった人が歌ってこそ大きな意味が出てくるので歌織さんに当て嵌まらないはずがないだろうと。そういった部分をベースにしつつ、もっと大きな視野で考えると別の意味も生まれてくるような。
Extra2曲としての曲順は先に述べたとおりとして。もっと大きな視野で……というのは、グリマス終了からミリシタへ(既に稼働済ながらも)の流れそのものがちょうどいいアナロジーとなり得るんだなあ……ということですね。当時はラストに希望を置きたいくらいのことは考えてたかもしれないですが、あくまで歌織さんが歌うパートとして考えたときにそこまでの意味合いを付与しようとはしてなかったんじゃないかな、という淡い感覚があり。まあそういう考え方もありますね、くらいのノリでしょうか。……しかし、こうして収まってみると最後に全体曲の一曲くらい挟み込んでどかんと沸かせつつ締めたいな……という感情も湧いてくるもので。もしやるとすればさすがにそこは『LITTLE BUSTERS』あたりなのかな、なんて。世迷い言とはいえど書いておいて損はないでしょうということで……。
めでたしめでたし。というわけで、以下は本編とは関係のない戯言です。読み飛ばされるべきなにか、という意味ではどちらも大差なし。
これで漸く、ひとつの区切りをもつことができました。前半執筆の際に一曲一曲についてそれぞれ記した梗概めいたライブの様子まで描ききるエネルギーは残っていなかったので(それを抜いても前半の文章量を軽く凌駕するというこの)、その代わりといってはなんですが。その部分には選んだ曲の歌詞からフィーリングで抜き出したフレーズをアクセントとして添えておきました。これはこれで新たな試みということもあり、いざやってみようとしたらとたんに色々考え込んじゃいましたが。それはそれで楽しかったです。
それにしても、前半執筆から6年(選曲から数えれば7年)の時を経ているというのにほとんど筆の止まるところを知らなかったというのは。我ながらちゃんと考えて決めたと胸を張れなくもないかなと思う一方で、今を追えなくなってしまった現実を突きつけられる思いがしてなかなか寂しいですね。せっかくミリオンはサブスクリプションに積極的なんだから、ほぼ最後の記憶といっていい5thSSA以降の楽曲なども聴いていきたいところ(後半執筆の引き金のことを思えばなおのこと)。
最後になりましたが、謝辞まがいの文言を。まずは本企画主宰のシンゴさん。そして、座談会で共に楽しいひとときを過ごしたハバネロPさん、タイさん、フィルソPことスイッチバックさん、そしてフランツPさん。皆さんそれぞれが思い思いの言葉で解散の報を受け止めていましたが。特にハバネロさんに関しては、恐縮ながら先日の拙文がきっかけとなってその思いの丈を認めることと相成ったようで*2。気恥ずかしさもありますが、ありがとうございました。
その他、the pillowsおよびミリオンライブがきっかけとなった皆様。そしてもちろん、こんなよくわからない文章に最後まで根気よく目を通していただいた方々(6年前の前半戦および先日勢い任せに放った文章も併せて)。
それから、個人的に忘れるわけにはいかないのがこの一冊。ISF07現地まで赴いて購入した、紛う事なき宝物です。2019年6月9日開催ということで、かの座談会から2ヶ月と経たないうちに発行されてたんですね。偶然なのかなんなのか、ロックの日というところもアツいポイント。
www.pixiv.net
こちらの合同誌参加者の皆様にも、一読者として敬意を表しつつ。本稿執筆にあたり当時の自分が有していたバイタリティを思い出すためのアイテムとしても、存分にその効力を発揮してくれました。
最後に、Thank you, my twilight. ということで。皆まで言わずとも。
ついでなので執筆時のBGMの話でも。ほぼ自分のセットリストを辿りながらの作業でしたが、ときおり他の4人のものを流してみたり、はたまた全く異なるものをかけていたりも。先日の文章でも最後に少し書き散らしておいたものの、体裁より勢いと言わんばかりにリンクを貼ることも控えたのですが。いい機会ですしそのあたり少し貼っておこうかなと思います。
wintermute - Fury, Melancholy and Joy 【YouTube】
アルバム『STRAY LIGHT』所収。爽やかな別離。貼ったのはアクセスの利便性を考えてYouTubeですが。そういえば……とニコニコ動画の方を覗いてみると、やっぱり。ちょうどthe pillowsに言及してるのがこの曲の概要欄でしたね。
wintermute - Vermillion Moon 【YouTube】
EP『Blood Color Flower e.p.』所収。氏の曲との出会いはこれ。これもニコニコ動画の方では概要欄にピロウズの文字列が。MVの太陽にニヤリとしつつ。
wintermute - Blood Color Flower 【YouTube】
同じくEP『Blood Color Flower e.p.』所収。穏やかながら決定的な喪失、忘却そして諦念。解散翌日、まだ受け入れられない身体にこの曲をしみわたらせつつ(アイスレモンティー飲みたいな……)と考えていたのが思い出されます。
奥井雅美 - そうだ、ぜったい。 【YouTube】
nano.RIPE - 絵空事 【YouTube】
出会いを想起すると『New Animal』の2番サビに辿り着くこともあり、好きの意味合いがそのあたりとリンクするものから2曲ほど、連想ゲームの要領で繰り返し……という背景。
あとは、そうですね。久しぶりに開いたあれやこれやのミリオン(というかニコマス)関連動画。LTP/LTH合作然り、個人作品然り。そうか、座談会でMS合作の話してたんだもんな……なんてことを考えつつ。昔から、興味が(その時々で交代こそすれ)失われるわけでもなしに増え続けていく人間なので。かつて好きなったものは今改めて触れても好きなんですよね。
そんなところで、ひとまず書き漏らしたことも思い浮かばないので(おかしな箇所の修正から目を逸らしつつ)。そろそろおいとまいたしましょう。
では、またいつか何か書きたいなと思う日まで。